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2025.06.07 みそまろコラム

日本の伝統!日本酒の魅力に迫る〜種類編〜


まいどおおきに。みそまろです。ぺこり。前回は「
日本酒の魅力〜歴史編〜」と題しまして、日本酒がいつ頃からあって、誰が作っていたのか?ということをご紹介させていただきました。

 

そちらの記事に続きまして今回は、日本酒の「種類」について、ご紹介させていただこうと思いますよ。

 

 

 

 

例えば、「清酒」とか「純米酒」とか「大吟醸」とか、はたまた「本醸造」とか、日本酒のラベルには様々な名称が書かれていますよね。あの違いって、みなさまご存知です?

 

「『純米大吟醸』って、なんか響きがええから、ええんちゃう?」

 

「いや、『特別本醸造』のほうが高級感ありますやろ」

 

なーんて、”語感”で選んだりしてはりませんか?

 

もちろん、直感で「これだ!」と選ぶのもまた一興ではございますが、ここはひとつ、ちょいとお勉強してみましょう♪

 

■清酒には2種類ある!

 

むかーしむかしの室町時代。それまではお酒といえば濁っているお酒でしたが、奈良県は正暦寺にて精米したお米を使って、「造り」と呼ばれる製法で澄んだお酒を作るようになりました。これが「清酒」です。そして現代にもうひとつあるのが「合成清酒」です。

 

【清酒の条件】

 条件① 米、米こうじ及び水を原料として発酵させている

 条件② 濾して澄んでいる

 条件② アルコール分が22度未満である

 

【合成清酒の条件】

 条件① アルコール、焼酎又は清酒とぶどう糖その他を原料として製造した酒類

 条件② 香味、色沢その他の性状が清酒に類似する

 条件③ アルコール分が16度未満でエキス分が5度以上等である

 

ちなみに、日本で育てられた国産米を使って、日本国内で醸造した清酒を「日本酒」と呼びます。

ということは海外のお米を使ったお酒は「日本酒」とは呼べず「清酒」となるのですねぇ。

 

■製法によって異なるお酒の名称

 

次は、日本酒のラベルに書かれた「名称」について、国が定めている基準をご紹介しましょう。

この違いを知っておくことで、今後の日本酒選びにも大きく差が生まれると思いますので、よ〜くご覧くださいね♪

 

特定名称 使用原料 精米歩合 こうじ米の使用割合 香味等の要件
吟醸酒 米、米麹、醸造アルコール 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
大吟醸酒 米、米麹、醸造アルコール 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
純米酒 米、米麹 15%以上 香味、色沢が良好
純米吟醸酒 米、米麹 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒 米、米麹 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
特別純米酒 米、米麹 60%以下または特別な製造方法(要説明表示) 15%以上 香味、色沢が特に良好
本醸造酒 米、米麹、醸造アルコール 70%以下 15%以上 香味、色沢が良好
特別本醸造酒 米、米麹、醸造アルコール 60%以下または特別な製造方法(要説明表示) 15%以上 香味、色沢が特に良好

 

いかがでしょうか。どれも似たり寄ったりに感じるかもしれませんが、わかりやすいところでいくと、「使用原料」ではないでしょうか。「醸造アルコールが添加されていないものが、純米酒である」ということから知識として蓄えていくと良いかもしれません。

 

■醸造アルコールとはなんぞや?

「アルコール添加」と前述しましたが、そうなると「え!?添加物?体に悪いの?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、そういうわけではないのです。サトウキビやトウモロコシ、米などの穀物を原料に発酵・蒸留して作られる植物生まれのアルコールです。

 

適量添加することで日本酒の風味を調整したり、口当たりを軽くしたりする役割を持っています。

また清酒の香味を劣化させてしまう「火落菌」の増殖を防止の一助にもなっているんですよ。

 

「でも〜風味とか、口当たりとか、作られたまんまでいいじゃないの、醸造アルコール添加しないとだめなの?」

 

と思わはるかもしれませんが、日本酒というのは、「米・水・酵母」の働きによって作られるもので、人の手の入れ方、管理方法、その年のお天気によって味わいも異なります。発酵するということは「生きている」ということですからね。その生き物が作る味わいというのを「毎年、均一にする」というのは、それはそれは至難の業なのです!

 

しかし、醸造アルコールを使うことで、「味わいや品質を安定させる」ことができるので、消費者にとっても「そうそう、この味よね♪」「毎年この味が楽しみなんだよ」「やっぱりここの酒蔵は好みの味わいだなあ」と幸せ顔になれるわけなのです。

 

もし、生まれたままの日本酒を味わいたい、という方は「純米酒」をお選びくださいね。

 

■吟醸造りとは?

吟味して醸造すると書いて「吟醸造り」ですが、米にも精米にも酵母にも管理にもこだわりまくっている造り方なので、その酒蔵のプライドをかけた逸品といっても過言ではないでしょう。例えばこんなこだわりがあります。

 

<こだわりの吟醸作り 例>

① 精米歩合60%以下:米の外側を削り、雑味を減らしてクリアな味わいを目指す

② 低温発酵:時間をかけて発酵させ、フルーティーな香り(吟醸香)を生み出す

③ 酵母の吟味:香りを引き出すために、特定の酵母を使用

 

使用する原料にこだわるのはもちろん、温度管理や発酵具合のチェック、その調整も大変重要なので、その職人さんたちのプレッシャーたるや、想像するだけでまろは敬礼をしたくなります。いただく時には、ゆっくりと味わいたいものですね。

ちなみにスッキリした味わいが多いので、食事と合わせやすい日本酒として人気が高いお酒です。

 

いかがでしたでしょうか。

ちょっと日本酒に詳しくなっていただけたら嬉しいです。

 

ただし、「お酒は二十歳になってから」。

そして、「お酒は適量を楽しむもの」ということを心にとどめ、美味しく愉しく味わってくださいね。

 

では、次回は日本酒の味わいと効果についてご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに♪

 

参考図書:理由がわかればもっとおいしい!発酵食品を楽しむ教科書 ナツメ社

参考ホームページ:国税庁

「酒税法における酒類の分類及び定義」

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2024/pdf/0009.pdf

「清酒の製法品質表示基準」

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2024/pdf/0017-2.pdf